2026/01/19

2025年に買って良かった漫画単行本10+3冊


 今回の10冊を選ぶにあたって、非情な決断を…従来の常連さんである「開花アパートメント」「贋まがいもの」「司書正」は選考対象から外しました。これらを含めると顔ぶれが変わらなさすぎるので…タイトルの+3冊はそういう意味です。飴石さん黒川裕美さん丸山薫さんごめんなさい。それから当初、光用千春さん「次の整理」1巻を入れる予定でしたが、12月発売の「ブロート・トゥー・ユー・バイ・ウチュー」に蹴落とされ次点に。


10位 狼よ、震えて眠れ 1巻 犬童千絵さん


 インドが舞台です。10位という順位にしましたが、26年1月リリースの2巻目はさらに良くなっています。犬童さんの、確か17年ほどのキャリアで培った熟練の手腕を味わえます。世間的に注目度は高くないようですが、読まないのはもったいないですよ。社会的メッセージも上手くエンタメの中に落とし込まれています。


9位 ただの飯フレです 4巻 さのさくらさん


 この作品は5巻も出ていて、読み比べてこちらにしました。日常系というかご飯ものの枠に入るんでしょうけど、人生について考えさせられる作品です。ただそれが決して肩肘張った感じにならないのがこの作品のすごいところです。この巻からアリスという子が出てくるんですが、私めっちゃ気に入ってます。


8位 ブロート・トゥ・ユー・バイ・ウチュー 赤河左岸さん


 24年のベストでは2位だった、残念なことに知る人ぞ知る感じの傑作「ホテル・ローレルの渡り鳥たち」の方の作品集です。非日常を日常に溶け込ませる発想とストーリーテリング、そして見事な絵。言う事ないですね。


7位 最果てのセレナード 4巻 ひの宙子さん


 1巻のインパクトが強烈で、比べると2・3巻はそれほどでもないかな…と思ってしまいました。ですがこの最終巻は見事にまとめてきました。律と小夜の対話シーン、夏の日が差す現在/雪の夜の過去の対比が効果的でした。


6位 香港ネクロポリス 1巻 越谷美咲さん


 現時点で最も楽しみにしている連載のひとつです。越谷さんは従来あまり好きな作家さんではなかったんですが、1話目から惹き込まれましたねー。とにかく楽しんで作品と格闘されている感じが伝わってきます。黒くて、でも柔らかみのある絵。激推しです。


5位 あさやけリフレイン 1巻 まつだひかりさん


 この作品も大いに楽しませてもらいました。私自身はバンド体験ないんですが教室や音楽準備室とかでゴソゴソやってるのを横で見てた、あの感じが蘇ってきました。まつださん、端正な絵も描かれますけど崩した絵とのコントラストが結構あって、それが一本調子じゃないリズムを作ってます。楽器や機材もしっかり描かれていて、それもポイント高いです。


4位 考幻学入門 鈴木りつさん


 この作品集、Xで私が思っていたよりずっと話題になり少し驚きました。常人には思いつかない(思いついてもすぐ忘れる)発想を作品としてまとめ上げる、他の誰でもない「ユニーク」な才能です。鈴木さんがこれからどこへ向かわれるのか、青騎士での活動を見てても全くわかりませんが。


3位 ピッコリーナ 続の2巻 大槻一翔さん


 内容ももちろんいいんですが、出てくれた事自体がありがたかったです。大槻さんに関しては24年初めまでの掲載誌だった青騎士にまったく今後のアナウンスメントがなく、雪割草からのリリース告知も11月ごろまでありませんでしたので、ずいぶんハラハラしました。A4判で未発表パートを読めて、ひたすら眼福でした。


2位 私のブルーガーネット 2巻 秋山はるさん


 24年のランキングでは1巻が7位でした。今回2位とした理由は二つあります。一つは1巻よりはっきり内容が良くなっている事。20年以上のキャリアをお持ちの秋山さん、登場人物が少ないにもかかわらず、いやそれ故にかドラマ作りが上手い。セリフが上手い。絵も。純度が高まってるんですよね。もう一つはこんなに素晴らしい作品なのに、この2巻から電子のみでのリリースになり、その画質が悪いんですよね…その無念さが順位を押し上げました!もう2巻収録分からメロディのバックナンバー取り寄せようかなとすら思ってます。


1位 メダリスト 13巻 つるまいかださん


 収録されている51話が載ったアフタヌーンを読んだ時、ほぼこの順位は決まっていました。購入時にXに上げた感想「これは詩です」を超える言葉がなかなか出てこないです。従来から凄かった絵がもっともっと引き上げられているのはもちろん、モノローグやセリフがすごく磨き上げられています。

2025/12/14

ハルタ129号


 新連載が「レストア!」、終了は「午前二時は食卓で」です。


殺し屋の推し 20話 大島琳太郎さん


 この感想は面白かった/インパクトがあった順が基本です。そしてこの作品を最初に持ってくる日が来ようとは思いもしませんでした。始まった頃は「ヒナまつり」の二匹目のドジョウを狙って滑ってる感じで、私がアイドルやそれ周辺の文化が好きでない事もあって嫌っていましたが…今回は感動しました。


香港ネクロポリス 8話 越谷美咲さん


 いやー、こういうのが読みたかったんだよ!ゴキゲンです!ペンが走ってます!リアタイで読むのが至福。


ホテル・メッツァペウラへようこそ 52話 福田星良さん


 ここから何作か単行本の巻数が似たような作品が続きます。少し前に福田さんがXに長髪の人物が描かれた原稿の一部を上げられてまして、お母さんが見つかったかと思ったら早とちりでした。時々あまり気が乗ってない感じもあった福田さんですが、この回はバッチリでした。次の130号からキャンペーンもやるようです。


山を渡る 48話 空木哲生さん


 この連載も長い(9年くらい?)ですが、初めての感想になります…といっても三人娘の中でも空木さんのお気に入りは、今回フィーチャーされてる加賀ちゃんなんだろうな…昔の読切にも出てたしな…鼻水がキュートだぜ…程度です。


煙と蜜 59話 長蔵ヒロコさん


 姫子ちゃんはいい子すぎて、私は今回出てるリンちゃんが好きで。この子が出ると楽しいんです。大正の中受。


クプルムの花嫁 56話 namoさん


 始まった頃はまったくの無表情だった修、今ではこんないい表情を見せるようになりました。高岡での修行編、あと2話か3話ぐらいでしょうか。


虎は龍をまだ喰べない。 45話 一七八ハチさん


 バトルシーンの迫力がさすがでした。ただ、やっぱりキャラの数を増やしすぎたんじゃないかな…やや散漫な感じが拭えません。


午前二時は食卓で 19話 近東ともよさん


 最後は2月に完結2巻が出るこちら。デレるシーンとか良いところもあったのですが、個人的にはずっともどかしさを引きずったままでした。

2025/12/13

ハルタ128号

 しばらくもう一つパッとしない感じでしたが、この号は面白いのが多くて「当たり」でした。西田心さんの読切「つむつむ」が楽しみだったのですが、目次に読切のマークがついてない…編集部やらかしましたね。新連載は「絵画修復師 天野洋子」、終了は「アルケミックガール×バーサーカーボーイ」でした。


極楽にはまだ早い 8話 天野実樹さん


 読んでいて「う〜ん…」という感じが何話か続いていましたが、緊張感と天野さんらしいかわいらしさが両立していて、このエピソードは良かったです(次号と2話連続)。この調子でお願いします!単行本1巻も12月に出ますし。


つむつむ 読切 西田心さん


 ここからは読切3連発です。62ページと西田さん最長の尺。ちょっと粗もあったかもしれませんが、今までになかったスリラーもの、しかもアクションあり。読んでいて荒木飛呂彦さんを連想させるようなところもあり、西田さんの別な一面を見せてもらいました。


虚像心中 読切 川津佳さん


 初めての方ですが、とてもとても絵が上手いですね…単行本も出されてないようですが、別名義での活動とかあるのでしょうか。双子の美少年、どうしても「ミギとダリ」を思い出してしまいます。また載ってほしい方です。


大匙 読切 福浪優子さん


 うむ、わけがわからん!最近Xでの情報発信も始められて、次の連載に向けて蠢いていらっしゃるのかどうか。


ハクメイとミコチ 127話 樫木祐人さん


 ミコチの顔芸…こんなに取り乱してるのは初めてです。ここで彼女の進む道が定まったんでしょうか。


かわいすぎる人よ! 65・66話 綿野マイコさん


 綿野さん最初の頃からすると見違えるように良くなって来てるんですよ。12月に4巻目が出るんですが、今までの分も合わせて買っちゃおうかなと迷ってます。時々ある、同じ出来事を別々の視点で描くパターンです。


香港ネクロポリス 7話 越谷美咲さん


 今回も充実してました。フーの様々な表情が見れてよかった。今回ロシア人?の少女が出て来ましたが、瞳孔が十字形になってました。アフタヌーンで連載中の「あさやけリフレイン」にもそういうキャラがいますけど、流行ってるのかな?


司書正 28話 丸山薫さん


 キビの修行回…と思いきや、未知のスポット、そして書物が。顓の建国の謎が明らかになるんでしょうか?そろそろ楊歆たちの出番かな?


狼よ、震えて眠れ 12話 犬童千絵さん


 いや、本当に全ページ全コマ高レベルです。世間的に話題になってないのが本当に惜しいですね。連載を楽しめるのもあとわずか、1月に完結2巻が出ます。


夜をととのえる 5話 浜田咲良さん


 この回は「お仕事もの」であると同時に良質のホームドラマでもありました。今の絵柄、浜田さんも読む我々もすっかり慣れてスムーズに楽しめます。


魔女のエデン 32話 ゆめじさん


 ピリーとフルーディティラのバトル。そして理解しあったかに見えましたが…このところ毎回充実してます。


現象X 超常現象捜査録 7話 温泉中也さん


 前後編の後編。前編ではストーリーが以前と同じパターンだな…と思いましたが、今回は面白かったです。絵も最初の頃より生き生きしてきたんじゃないでしょうか。


瑠璃の宝石 番外編 渋谷圭一郎さん


 ナギさんにスポットを当てた番外編でしたが、このコマ。エジプト・城址さんぽ・クラシックカー・弓道…昔からのハルタ読者さんをニヤリとさせますね。

2025/12/03

ハルタ127号



 新連載の「レインアパート」を読んで気がつきましたが、「ウスズミの果て」に加えて「海底清掃人マタタビュリス」とこれ、ポストアポカリプスものが増えてます(都市文明は維持されてますが「現象X」も近い感じ)。編集さんの好みなのか、ツァイトガイスト(時代精神)の反映なのか。終了は短期集中連載「エイリアンと虫ハカセ」でした。


海底清掃人マタタビュリス 3話 本山とらじろうさん


 正直申しまして以前の読切を含め興味が持てなかった方ですが、この回は漫画版「風の谷のナウシカ」に通ずる何かがあって、これからどうなるか見てみようと思いました(偉そうだな俺)。絵はまだまだまだですが。


殺し屋の推し 19話 大島琳太郎さん


 今年になって、どちらかと言えば嫌いだった複数の連載が面白く思えてくる現象が生じていて、若干の戸惑いがあります。作家さんの成長なのか私自身の変化なのか…多分前者ですが。この「ののぴ」というキャラが出てきてから面白いんですよ。


クプルムの花嫁 54話 namoさん


 新潟の隣県、富山は高岡市に修行に来たしいなと修。凛さんというキャラ、今までになかったタイプの造形でけっこう好きですね。


香港ネクロポリス 6話 越谷美咲さん


 いきなりグルメ漫画になっちゃってますが、なんなの???これはこれで越谷さん絵の柔らかい面が出てて好きですが。


狼よ、震えて眠れ 11話 犬童千絵さん


 包囲されたカリナ一味。マヤは投降の説得を試みます。クライマックスへと。


魔女のエデン  31話 ゆめじさん


 フルーディティラはなぜ今のような存在になったのか…の回答。フランスでは最終巻が出てるようですね。この11月にアフタヌーンでフランスの方の連載が始まったんですが、言われないと日本の方としか思えない絵で…比べると(おそらく)日本人のゆめじさんの絵は割とBDぽさもありますね。


煙と蜜 57話 長蔵ヒロコさん


 誌面で読む分にはまあいいんですが、こうやってコマ単位で抜き出すと、とってもイケナイ行為を致してるようにも見えますね…やべえわ。

2025/11/22

ハルタ126号

 新連載・終了ともにありませんが、2度目の休載をしていた「煙と蜜」がこの号から再開です。順調に長期連載コースを進んでいたかに見えましたが、長蔵さんの体調いかがでしょうか。

香港ネクロポリス 5話 越谷美咲さん


 1巻が出まして、その最後に収録されている回ですね。絵が生きていて、越谷さんがノって描かれてるのが伝わってきます。ヒロインのフーが闘ってるキャラ「如意郎君」良きヴィランです。好き。

11番目のねこはねね  11話 はりかもさん


 1月に2巻が出るこちらも作家さんが楽しんで描かれてる感じで、冬の日光をじんわり浴びてるような心地良さです。ギャルなチズ姐と委員長タイプのイト姐の激突。

ハクメイとミコチ 125話 樫木祐人さん


 続きものです。以前私は「直接登場していないものの登場人物たちにとっては重要な」キャラの正体が明らかになる時が物語が終わるときではないか、と書いた記憶がありますが、私の予測は外れっぱなしなので大丈夫、まだまだ続きます。

狼よ、震えて眠れ 10話 犬童千絵さん


 Xに犬童さんがポストされてましたが、近々ご出産とのこと。それは慶事なのですが、早すぎる終了の一因だったのかもしれません。毒を盛って囚われの身を脱するマヤ。

開花アパートメント 19話 飴石さん



 美しいけど不穏な新キャラ登場で、波風立ちそうな気配です。読んでいるこちらは安心して飴石絵を堪能できますが、どうなる静子さん。

2025/11/07

ハルタ120号


 感想を書こうと読み直して初めて気づきましたが、この号の翌月に出たアンソロジー「青の秘密」の宣伝ペーパーが入ってました。この11月に「かみちゃんがいればマル」1巻が出る古田青葉さんの作品も収録されてるし、いい単行本です。新連載・終了ともにありません。

狼よ、震えて眠れ 4話 犬童千絵さん




 前半の無情さと後半の静けさのコントラスト。カリナの過去も明かされました。犬童さん、やっぱり上手いですよ。

ホテル・メッツァペウラへようこそ 43話 福田星良さん




 新しい友人が出演する先住民サーミのフェスティバルを訪れたジュン。彼ががなぜフィンランドに滞在しているかといえば母を探しているからですが、それとも共鳴するエピソードでした。そして福田さんがXでチラ見せしてますが、そろそろ見つかりそうな気配です。

司書正 23話 丸山薫さん




 キビの受難は止まりません…太史令さんの胃壁もまたピンチです。画像のコマは上が現在・下が回想なので枠線の太さが異なります。こういう作家さんの細やかな工夫で読者はストレスなく楽しめてるんですね。

魔女のエデン 24話 ゆめじさん




 敵の帝国側の、しかもお互い嫌い合っている学者ザクムと「聖女」フルーディティラ、そしてピリーが潜り込んだ兵隊の隊長ルドベキアと様々な人物の内面が窺えて、見応えある回でした。

瑠璃の宝石 33話 渋谷圭一郎さん




 古生物研のなっちゃん、明るいキャラですね。ナギさんが珍しく表情を崩してます。この時期、野澤佑季恵さんがアシスタントだったらしいです。

殺し屋の推し 15話 大島琳太郎さん




 感想を書くのは初めてなんです。絵はとても上手いんですがあまり響かなくて…でもこの回は良かったかな。

THE 3RD EYE 読切 大上明久利さん




 「極東事変」の大上さん、久々の46ページ読切です。お嬢様探偵×シゴデキ執事・レトロなメカデザインの数々・お得意のアクションと個々のパーツは魅力的なんですが、組み上がりはもうひとつだったかな…大上さんごめんなさい。