2023/02/22

イベリスの花嫁 2巻 秋山はるさん


 単行本として改めて読み直したあと、少し天を(室内なので正確には天井)仰いでました。もうそんなナイーブな思いを持つような歳はとっくの昔に過ぎてるんですが…なんでもっと注目されなかったかなあ、売れなかったかなあって…。「百合」好きの間ではある程度話題になってた様子ですが、その外でもっと広く読まれてほしかったです、この傑作が。


 ホテルの式場でウェディングプランナーを務め、自分自身も婚約者(男性)との式を控えた美月はある夜、駅の反対側のホームに佇む女性と目が合ってしまいます。その後上司の福永のツテで訪れた婚約カップルの一方がその女性、七海でした。婚約者だけでなく福永とも交際する七海ですが、美月は強く惹かれていき…というのが1巻のあらすじです。


 この2巻。婚約者と別れ七海にのめり込んでいく美月ですが、複数の人を愛さずにいられない七海との生き方の違いは埋めがたく。やがてプランナーとしての美月が七海の式に立ち会う日が訪れます。そして3年後…。


 この作品の何がいいって、シーンの流れがスムーズで無駄がないんです。その流れの中で各人の心理が細やかに浮き彫りにされていく…当初想定していたより短くなった(打切り)のはほぼ間違いないと思っていますが、怪我の功名というべきか2巻はより凝縮され純度の高い内容になっています。


 秋山さんの過去の有名作「オクターヴ」と比較すると、絵が明らかに良くなってます。その点でもより楽しめます(あとオクターヴはエロシーンが必要以上に多かった…)。次回作、期待してますホントに…。