現在のアフタヌーンの購読(その前の購読は30年ぐらい前)も1年ほど経ちますが、割と落ち着いてきたというか、読む作品の開拓も一段落したせいでしょうか、これだ!という作品がなかったです。そのせいで、自分でも意外な作品の感想から始まります。
2023/07/30
月刊アフタヌーン23年9月号
現在のアフタヌーンの購読(その前の購読は30年ぐらい前)も1年ほど経ちますが、割と落ち着いてきたというか、読む作品の開拓も一段落したせいでしょうか、これだ!という作品がなかったです。そのせいで、自分でも意外な作品の感想から始まります。
最果てのセレナード 1巻 ひの宙子さん
フィールヤングで活動されていたひの宙子さん、アフタヌーンでの初の連載です。重版には至らなかったようですが、それなりに話題になっている作品と思います。
北海道の町の中学。ピアノ教師の母を持つ小山田律のクラスに転校してきた白石小夜はコンクール常連のピアノ少女でした。コンクールの道大会で自分のために弾かれた小夜自身の音に律は強く惹かれますが、ピアノを習わせている小夜の母が弾かせてきたコンクール仕様の音とは全く異なるものでした。
小夜が抑圧されているのを感じた律に小夜は母への殺意を漏らします。いつしか律は小夜の母を除く方法をノートに書き連ねるようになりました。そして冬、三者面談の夜。
物語はこの10年前の中学時代と東京で週刊誌記者をしている現在の律が交錯して進んでいきますが、この1巻では過去メイン、2巻以降は現在メインとなるようです。連載のキャッチコピー「母殺しの激情サスペンス」と律の現在の職業から、私は律が(心ならずも)小夜を追い詰めていく話じゃないかと当初予想しましたが、律はガッツリ追われる側でした(追うのは年上の男たちのようです)。
2023/07/17
花園に幹が立つ 1巻 野澤佑季恵さん
2年前の21年7月15日に読切「知らず知らずの姉妹」でデビューされた野澤さんの初単行本。連載は22年11月に始まりました。私が読みたい漫画を「掘る」ようになって約45年、この短期間でこれほどの絵を描けるようになった方というのは記憶にありません。
100年以上の伝統がある「女子校」が共学に舵を切ったものの、入学した男子は(特待生の)学費免除が目当ての遠野幹(とおの・みき)ただ一人だった…というシンプルな設定です。クラスの女子たちのうちメインヒロインが源瞳(みなもと・ひとみ)、サブが遠野くんと中学が同じだった三枝音(みえだ・おと)。
不純異性交遊禁止の校則に背けば特待生待遇を失う遠野くんですが思春期男子、葛藤はありますよね。周囲の女子たちも(戸惑い・反発もありながら)徐々に彼を受け入れていきます。
野澤さんの魅力はなんといっても絵、特に流麗な線です。デビュー当初は構図が固定されがちとか問題点もありましたが、連載を続けるうちに大幅に良くなりました。過去に髪型がテーマの読切「FUN FUN CUT」を発表されてますが、女の子たちの描き分け(特に髪型)はすごいです。課題はストーリー面ですかね…伏線らしきものがほとんどなく、1話ごとの話の起伏も平板な感じです。「学園(ハーレム)ラブコメ」ではあるんでしょうし期待する方がおかしいのかもしれませんが、精神面の深みみたいなのはまだまだで、キャラが本当に「生きている」ところには至っていません。
とはいえ、伸びてほしい・売れて欲しいと思う新人さんの筆頭であることに変わりはありません。
2023/07/13
月刊アフタヌーン23年8月号
メダリスト 35話 つるまいかださん
いのりの演技が終わり、最後のコマは表彰式でした。いのりと司の絆だけでなく、観戦する絵馬と蛇崩コーチ・ソロキン・いるか・光(珍しく汗かいてましたが)各人の想いも描かれとても見応えある回でした。ただドラマを充実させるべく(作者コメにあるように)ネームに時間を割かれたせいでしょうか、絵の細部まではペンが行き届いてない感じもします。山場の回でもあり、単行本ではある程度修正がかかるものと思われます。
スキップとローファー 53話 高松美咲さん
(某110円コーナーで)1〜5巻を調達する前は「世評はやたら高いけど全然ピンと来ないよ?」と思っていた私ですが、今回とても良かったです…みつみと聡介もですが、ミカが二人の気持ちを察してしまうところが何とも。前半の男子入浴シーンも味がありました。
クオーツの王国 7話 BOMHATさん
7話まで来ると、この世界の構造もかなり明らかになって来ましたね…以前チラリと出てきた闇の魔法使い?がブルーに干渉を始めています。
ヴィンランド・サガ 203話 幸村誠さん
先日27巻が出ました。続いている緊張がジワジワと高まってきてます。
波よ聞いてくれ 91話 沙村広明さん
ドラマ終了しました。訪問先の他局で喋り始めるミナレとロティオンですが、特殊な放送局です。
2023/07/09
青騎士14B号
一部書店で配布の「青騎士バニー3」に読切が掲載されましたが、森薫さんの本誌掲載はありません。
Devil's Candy 5話 Bikkuri/Remさん
表紙を飾りました。当初は目新しさはあるけど「オマケ」かなあ…と思ってましたがどっこい、動きや表情がいきいきしていて、読んでて楽しいんですよね。アメコミとMANGAのハイブリッド。
エレナの炬火 7話 小板玲音さん
よくやるんですが、12B号の感想で作者名をまちがえてました!小板さんごめんなさい!この作品はなかなか紹介しづらいんですよ…未成年の裸体やら下着姿やらしょっちゅう出てくるんで…猫耳メイドがキャッキャしてるかと思いきや、重苦しい戦争の傷痕回が挟まってくるし。今回は重苦しい方のやつでした。人物(特に女の子)は上手くなってると思いますが、自然や街路の空気感みたいなものが出てくれるともっと魅力的だったと思います。
ホテル・ローレルの渡り鳥たち 8話 赤河左岸さん
7月20日に1巻が出ます。連載作品というのはほとんどの場合ある程度話数を重ねて勢いがついてくるものですが、この作品は1話がピークですね、今のところは…とはいえこの方でないと味わえない絵の魅力があります。
北北西に曇と往け 13話 入江亜季さん
普段それほど意識しないんですが、入江さんの魅力の一つにオッサン…それも着飾ってないタイプがチャーミングだってのがあります。今回の塾の先生と生徒の女の子たちとのやりとり、いい空気でした。「群青学舎」をなんとなく思い出しました。
宝石商のヒストリティカ 13話 佐々木つかささん
ヘビーだなあ…って書くとダジャレになってしまいますが。でもヘビーです。ネタバレは憚られるので核心には触れられませんが。この後どうやって宝石商はあのような存在になっていくのか。
青騎士14A号
AもBも新連載がありませんでした(ですよね?)。最初の頃の闇鍋を食わされている感じからすると、ずいぶん落ち着いたものです。ですがそれは裏を返せば、しばらくはこれ以上のジャンプアップはなさそう…という事でもあります。この感じで勝負を続けなければいけません。
メガロザリア 10話 みやまるんさん
13Aの感想で「流して読んでた」とか書きましたが、正確には最初はほとんど読んでませんでしたスミマセン。チートで成り上がるだけの雑な話かな〜と舐めてましたが…今回読んでみて結構印象が変わりました。緻密に組み立てられてるみたいですね。絵も表情・仕草がはっきり良くなってきました。
転がる星屑ども 3話 有海とよこさん
……いや…いくらなんでも無理あるっしょ、この展開は!読者の側でPTSDによる部分的な記憶喪失が…とか脳内で設定を捏造しないと。でも楽しんで描かれてるのは伝わってきます。
ピッコリーナ 11話 大槻一翔さん
わかってましたけど、大槻さん、付き合うのが決まってからの展開考えてませんでしたね…自宅でリッチにくつろぐ峰香さんの巻。深みとか全然ないですが、絵を見ているだけで幸せなのです。
夜な夜な夜な 12話 柴田康平さん
休載で読切が載ったり!突如別の連載が始まった!かと思ったら音沙汰なくなったり!読者は翻弄されてますが、久々にスカッとした感じです。
鎮護庁祓竜局誓約課 6話 鵜山はじめさん
ファンが多いらしい、ヒロイン草乃(かやの)回です。今回「陛下」さんが声のみで登場。描き込みは最初ほどではないですが、やはり絵が安定して上手いです。