フィールヤングで活動されていたひの宙子さん、アフタヌーンでの初の連載です。重版には至らなかったようですが、それなりに話題になっている作品と思います。
北海道の町の中学。ピアノ教師の母を持つ小山田律のクラスに転校してきた白石小夜はコンクール常連のピアノ少女でした。コンクールの道大会で自分のために弾かれた小夜自身の音に律は強く惹かれますが、ピアノを習わせている小夜の母が弾かせてきたコンクール仕様の音とは全く異なるものでした。
小夜が抑圧されているのを感じた律に小夜は母への殺意を漏らします。いつしか律は小夜の母を除く方法をノートに書き連ねるようになりました。そして冬、三者面談の夜。
物語はこの10年前の中学時代と東京で週刊誌記者をしている現在の律が交錯して進んでいきますが、この1巻では過去メイン、2巻以降は現在メインとなるようです。連載のキャッチコピー「母殺しの激情サスペンス」と律の現在の職業から、私は律が(心ならずも)小夜を追い詰めていく話じゃないかと当初予想しましたが、律はガッツリ追われる側でした(追うのは年上の男たちのようです)。
これの感想を描くのに時間がかかりました。私のズボラが主因なんですが、作品の魅力が抜き出しにくいというのもありまして…キメの絵やセリフもあるんですが、変則的なコマ割りの中に断片的なセリフやモノローグが織り込まれ紡がれていく「流れ」というのがこの作品のキモだと思います。特に1巻最後の5話目、すごかったですね。
担当編集さんによれば、ひのさん結末をどうするか決めずに始められたということです。どうまとめられるか、結果いかんでは大失敗作にもなりかねませんが、いろんな意味でハラハラしながら連載を追っていきたいです。