2025/07/19

ハルタ115号


 この号は新連載が「11番目のねこはねね」、終了が「花園に幹が立つ」でした。全体として面白かったですが突出してコレ!というのはなかったかな。

花園に幹が立つ 18話 野澤佑季恵さん



 季節がひと巡りして、三枝さん諏訪さんとか今までの女の子たちも出番がありました…特にツンツンクイーン・御門さんがしっかり描かれていたのは良かったですね。この子の事も含め、野澤さんとしてはもう少し長い尺を考えていたんだろうなあと改めて思います。
 連載が始まったとき私が思ったのは、遠野くんと女子たちの関係はあんまり恋愛に寄りすぎないで欲しいなという事でした。結果としてそうはならなかったけど、後々記憶に残るであろう良作でした。野澤さんまた描いてくださいね…ハルタでなくてもいいから(野澤さんのXアカウントのフォロワーに某青年誌編集部が混じってるのが私は地味に気になっている)。

先生、今月どうですか 39話 高江洲弥さん



 この回あたりでようやく本来の軌道に戻った感じがします…私の勝手な感想ですが、あまり登場人物を増やしすぎずもう少しコンパクトだったらな、とも思いますが…今更ですね。

ハクメイとミコチ 114話 樫木祐人さん



 好きなキャラのひとりシュンカと、旋毛丸…なんと「姉弟」なんだそうで。いい話でした。やっぱり樫木さんはくどくど説明しなくてもキャラの表情や仕草ひとつで伝えるのが上手いです。

いやはや熱海くん 23話 田沼朝さん



 熱海くんとクラスの女子吉見さんのエピソードです。最近この作品はスムーズすぎてあまり感想も出て来なくなってますが、この回は改めて田沼さんの会話の上手さが印象に残りました。

司書正 20話 丸山薫さん



 熒国の末裔、騮何(初登場時は男性かと思ってましたが)と行動を共にする楊歆。私の予想はしょっちゅう外れてますが、次回(25年8月)はこの2人の回になるんじゃないですかね?

11番目のねこはねね 1話 はりかもさん



 これを書いてる時点ではここから1年経ちまして、今のほうが良くなってますね。第1話としてはこんなもんかな。

ハルタ114号



 (好きな連載が減る)奇数月の号ということもありますが、なんかページ数の少ない連載が多い気がして、どうもいけません。新連載は「犬島ななこさん「ファンシー革命」。この作品については感想を書けば書くほど悪口しか出てこんな…という印象だったんですが、いちから第1話を読み直して、とりあえずノーコメントにしときます。終了はありません。

花園に幹が立つ 17話 野澤佑季恵さん




 この次で最終話ということで、ここまでベタでいいのか???という展開でした。3巻で終わりという決定はいつごろ下されたのか知りたいものです…まあ源さん(とその他1名)の表情がたっぷり拝めたからヨシ!

明け六つに虎 前後編の前編 天野実樹さん



 連載「極楽にはまだ早い」のプロトタイプです。首斬り執行人・雪成のキャラデザはほぼ出来上がっていますが、こちらの方が表情豊かです。じっくり読むと背景だけでなくモブキャラも結構アシスタントさんが描かれてる感じですが、最近(25年7月前半)天野さんアシさん募集されてました確か。連載の絵柄は今後どうなるんでしょうか。

本なら売るほど 6話 児島青さん



 ハルタの新しめの連載中、巷でいちばん話題で売れ行きも好調なようです。それはありがたいのですが、個人的には刺さって来ないですね…絵に「色気」が感じられなくて。この回は80年代の漫画作家の名前が色々出てきて懐かしかったですが。そうか、双葉社版「童夢」は高騰してるのか(部屋の奥〜の方に埋もれてます)。

ハルタ113号



 ああ良かった、この号は読んでた!と最初は思ったんですが、よく考えたら何作か単行本で出たのを読んでただけでしたね…というわけでこの号もページパラパラレベルでした。新連載・終了ともになし。

生き残った6人によると 38話 山本和音さん





 ホテル、そして千葉からの脱出を賭けた戦いの前、しっとりした夜です。普段のこの作品とは別の貌が見れましたね。とても良かったです。

花園に幹が立つ 16話 野澤佑季恵さん




 この作品の、ベストの回かもしれません。学校を休んだ幹くんを見舞う源さん。時々あざとさを感じないでもなかったこの作品ですが、ここでの密着描写は空気感が素晴らしかったです。ちょっと爬虫類っぽい目の妹ちゃんもお兄ちゃん思いで良き。

魔女のエデン 16・17話 ゆめじさん



 2話分たっぷり読めたせいもありますが、緊迫した場面と緩んだ場面の振幅があって楽しめました。もう少しこういう柔らかいシーンがあればな…と思います。

司書正 19話 丸山薫さん




 たぶん私が蓮公子よりも好きな鄂韡(がくい)公子の回。鄂韡悪いよ鄂韡!で、私はお母さんもけっこう好きなんです。

38.5℃ 前後編の後編 浜田咲良さん



 前編より楽しめました。浜田さん(と担当さん)的にはアンケートが良ければ連載に…というおつもりだったんでしょうね(「金曜日はアトリエで」も確かそういう形で始まったし)。

ハルタ112号



 この感想を書くべく「読み直し」てるうちにですね、私気づきました…ハナから読んでねーじゃんよ俺!情報としては連載経験者・宮麻朝也さん浜田咲良さんの久々の読切というのはインプットされてたんですが、実際のところページをパラパラしただけでした…健康、大事です。新連載/終了作品はなし。

ホテル・メッツァペウラへようこそ 35話 福田星良さん



 あくまで私が「そういう気がする」だけでご本人は全くそんなおつもりはないのでしょうが、とても絵が達者な福田さんなのに「流して」描かれてるように感じる時があります。でもこの回の絵はとても良かったですね。ジュンの母探し、125号の48話では手がかりが見つかったようです。

花園に幹が立つ 15話 野澤佑季恵さん




 文化祭。ザ・お嬢様としてのロールプレイを求められる源(みなもと)さんですが。ああ…やっぱり大画面で堪能する野澤さんの絵、いいわあ…。

ハクメイとミコチ 111話 樫木祐人さん




 ジャダさんと彼女が「苦手とする」役者のカーネリアンの組み合わせも3回目ぐらいだったでしょうか。少しずつまんざらでもない感じになってきてます、ジャダさん。何気ないコマからも気持ちが染み出してきます。

犬火の兄弟 7話 吉田真百合さん




 そうでした、盛り上がってくるこの辺から読めなくて、十分この連載を味わえませんでした。イノの慈悲の心が光嶽山を救うかとも思われましたが、迫り来るノジたち。

38.5℃ 前後編の前編 浜田咲良さん




 124号から始まった連載「夜をととのえる」は絵柄がけっこう変化してますが、そのプロトタイプともいえる作品(設定や登場人物は異なります)。「夜を…」と読み比べると瞳とかは「金曜日はアトリエで」の感じが残ってる気がします。

2025/06/22

ハルタ125号


 連載作品が集結する号ですが、それにしても厚い。あおりを喰らって巻末コーナーは読者の感想もない超圧縮バージョンでした。7月から開始だというのに「瑠璃の宝石」アニメの紹介も1ページと寂しいです。新連載が「海底清掃人マタタビュリス」「エイリアンと虫ハカセ」の2作、終了は1作です。

やんごとなき食卓 読切 福浪優子さん


 なんとこの半年で3作も福浪さんの読切を読めました、ありがたい!戦争か革命か、父王を亡くし家臣とも散り散りとなり、ひとり日本に暮らす若き王。異郷に放り出されながら少しずつ人生を立て直していく、というのは「あかねさす柘榴の都」や初期の読切「天狗の赤い髪」と共通しています。

 最大のトピックは、絵!先月発表の「宇ちゃんデリバリー」も従来と違ったシンプルな絵柄でしたが「お遊び」だと私は思ってました。しかし今作もそれに近い、「煙草の先生」までの写実指向の絵とは一線を画した物になってまして、次の連載はこの路線で行くのだろうか…と気が早いですが考えてしまいます。

開花アパートメント 18話 飴石さん


 今回凄かったですね…初期の頃より絵の幅が広がってきたというのは前にも書きましたが、さらに進化してます。冒頭の藤が視る、ほぼサイレントな過去夢…素晴らしい。贅沢な体験をありがとうございました。これはねえ、やっぱり単行本サイズでは堪能しきれないんじゃないかなあ…。

夜をととのえる 2話 浜田咲良さん


 今回は文句なしの面白さでした。こちらの慣れもあるのかもしれませんが、絵も第1話よりこなれた感じです。なんといっても依頼主の桃園さん(「神に誓って偽りです」とかぶってますが、こちらはレギュラーキャラじゃないしいいのか)がチャーミングでした。この感じでどんどん行ってください。

司書正 26話 丸山薫さん


 単行本3巻ラストからの直接の続きです(前回はキビの祖母が生きていた頃のキビについての回想で、これはこれで重要な話だったと思います)。内容については触れずにおきますが、今回も面白かったです。朝チュンならぬ朝コケェ!

虎は龍をまだ喰べない。 41話 一七八ハチさん


 碧童を狙う火龍軍団と白麗たちのバトルでしたが碧童はあっけなく捕まり火龍の巣へ。最後のコマがなかなかの衝撃でした。それはそうと途中、白麗の「私には何が足りない」というセリフに何人もの読者が「オツム」と思ったんじゃないかと。

香港ネクロポリス 4話 越谷美咲さん


 アクション多めで越谷さんの黒い絵も楽しめて、良かったです。個人的に最後のシーンはゆうきまさみさん「鉄腕バーディーEvolution」の地下駐車場バトルを思い出しました。

11番目のねこはねね 10話 はりかもさん


 単行本1巻が好評なようです。各猫の紹介エピソードが続いてたと思うんですが(実はちゃんと読んでなかった)、ねねの秘密をめぐる猫どうしの絡みが始まって面白くなってきました。

船長、問題ありません! 4話 佐藤宮さん


 タイムスリップ入れ替わりもの。しばらく17世紀船長(元社長)サイドの航海うんちく話が続いて、正直延々これが続くのはなぁ…と思ってました。今回は現代の社長(元船長)の話でホッとしてます。絵も安定してるんじゃないでしょうか。

先生、今月どうですか 49話 高江洲弥さん


 最終話です。この作品に関しては私もいろんな感情(必ずしもポジティブなものばかりではなく)を抱きましたが、今はただ「ありがとうございました」ですね。以前の2連載がいずれも短命に終わり、崖っぷちといっていい状態からのスタートだったと思いますが、7巻まで続きました。次はどうなるんですかね…個人的にはまたダークなやつが読みたいんですが。

2025/06/07

ハルタ124号


 あまり「これ!」という作品がなく、書店購入特典「ちびきゃらフェローズ」の分を足してなんとか形になりました…昨年よりはマシになりましたが、やはり谷間の時期です。新連載は1作、終了はありません。

夜をととのえる 1話 浜田咲良さん


 「金曜日はアトリエで」で知名度が上がった浜田さんの新作。112号掲載の読切と近い、前連載とはけっこう違う絵柄です。大学に入ったばかりの悠馬という子が黒沢という子と個人宅にお邪魔しての清掃バイトを始める、というお仕事ものですかね(金曜日…も広い意味ではそう言えるかな)。

 あまり他の作品と比べてどうこう言うのは良くないかもしれませんが、私が読んでる中だと「ただの飯フレです」に近い感じかなと思うけど、そちらほど会話の妙のようなものは感じられません。ただ回を重ねていけば良くなると思います。期待します。

午前二時は食卓で 14話 今東ともよさん


 この連載、今までちゃんと読んでなかったですが、今回のヒキは「おっ」と思わされましたね…絵も少しずつ読みやすくなってきたのでは。

かわいすぎる人よ! 57・58話 綿野マイコさん


 同じ出来事を別々のキャラ視点で展開するやつです。中学生…キラキラしてますね。5月に3巻が出ましたが綿野さんも上手くなってきてますね。

極楽にはまだ早い 4話 天野実樹さん


 少しずつ雪成の心のうちも描かれるようになってきました。今回気づいたのは背景が「ことり文書」の頃より描き込まれてるんですね(アシさんだと思います)。もう少しシンプルでも…と思わないでもないコマもありますが、江戸の情景が伝わってきます。

香港ネクロポリス 3話 越谷美咲さん


 さすがに1話のような描き込みを続けるのは無理だったようですが、十分魅力的です。今回は幕間っぽい感じでした。

君の笑顔がいちばんすき 読切 三星たまさん


 ここからは書店購入特典、ちいか…じゃなくて「ちびきゃらフェローズ」の作品。三星さん「夜の名前を呼んで」から1年以上ぶりですね。相変わらずの可愛らしさ…と思ってたら最後が闇でした。

デリバリー宇ちゃん 読切 福浪優子さん


 私が入力時「ふ」と打つと最初に出てくることが多い福浪さんの、ちょっと毛色の変わった…なんとSF?新人さんの多いこの小冊子のトリにふさわしい安定感でした。デビュー作「ノウゼンカズラの家」も巻末掲載だったのをふと思い出しました。

2025/05/10

ハルタ111号


 この号は今東(こんどう)ともよさん「午前二時は食卓で」が新連載、浅井海奈さん「八百万黒猫速報」が最終話でした。そして書店購入特典「わんわんわん!フェローズ」。「犬」縛りでこれからの方・終えた方を含め連載作家たちが、普段と違う顔を見せてくれたゴージャスな企画でした。特に長蔵ヒロコさんは異色だったし飴石さんも完成度はイマイチながら違った印象でした。最初の2作品はそこから取り上げます。

テラコッタの温度 読切 樫木拓人さん


 クレジットがなかったら多くの方が樫木作品と気づかなかったと思います。いつもよりも写実的な絵、しかもSFです。画像のように表情の変化を複数コマで追ったりとか、「ハクメイとミコチ」ではほぼ見られない描写が新鮮でした。

首輪の女 読切 野澤佑季恵さん


 Xにポストされているイラストを見ていると、「花園に幹が立つ」よりもこちらの方が本来の野澤さんに近いのかな、という気さえしてきます。太陽の差し込まないフェティッシュな世界。

春日出はバスで眠る 読切 西田心さん


 まだ連載に至っていないハルタ作家さんの中でも、東金桜さんと並んで連載を読んでみたい西田さんですが、デビューからこの時点で4年近く経ってますので難しいのかな…。バスで眠るうちタイムスリップして、離婚した両親の初々しい10代の頃に触れる少年の話。確かな絵、押し付けがましくないヒューマニズム、いいです。西田さんは「バスジャック二度としない」というタイトルの読切もありました。

八百万黒猫速報 12話 浅井海奈さん


 続いてほしかったですが…ちょっと駆け足感もありましたが、ハッピーエンドです。いい作品をありがとうございました(年間ベストに2巻の感想を書いてしまったので書くことがない)。

開花アパートメント 10話 飴石さん


 夫を喪った静子と双子の姉を喪った八千代の静かな会話。毎度の感想ですが充実しています。単行本でまとめて読むのもいいんですが、B5の画面で読むのが贅沢なんですよ。

生き残った6人によると 36話 山本和音さん


 実は連載を追っていた時点ではホテル編に入ってから少し面白さが減じた感じもあったんですが、読み直してみるとやっぱりいいというか…山本さん上手くなられたなあと改めて感じました。この頃の槙はまだ本性現してないですね。

涙子さまの言う通り 12話 山本ルンルンさん


 妹を奪還すべく犬飼邸に乗り込む沢渡。終盤に活躍のヨネ子・ナッちゃんも出てきました。