連載作品が集結する号ですが、それにしても厚い。あおりを喰らって巻末コーナーは読者の感想もない超圧縮バージョンでした。7月から開始だというのに「瑠璃の宝石」アニメの紹介も1ページと寂しいです。新連載が「海底清掃人マタタビュリス」「エイリアンと虫ハカセ」の2作、終了は1作です。
やんごとなき食卓 読切 福浪優子さん
なんとこの半年で3作も福浪さんの読切を読めました、ありがたい!戦争か革命か、父王を亡くし家臣とも散り散りとなり、ひとり日本に暮らす若き王。異郷に放り出されながら少しずつ人生を立て直していく、というのは「あかねさす柘榴の都」や初期の読切「天狗の赤い髪」と共通しています。
最大のトピックは、絵!先月発表の「宇ちゃんデリバリー」も従来と違ったシンプルな絵柄でしたが「お遊び」だと私は思ってました。しかし今作もそれに近い、「煙草の先生」までの写実指向の絵とは一線を画した物になってまして、次の連載はこの路線で行くのだろうか…と気が早いですが考えてしまいます。
開花アパートメント 18話 飴石さん
今回凄かったですね…初期の頃より絵の幅が広がってきたというのは前にも書きましたが、さらに進化してます。冒頭の藤が視る、ほぼサイレントな過去夢…素晴らしい。贅沢な体験をありがとうございました。これはねえ、やっぱり単行本サイズでは堪能しきれないんじゃないかなあ…。
夜をととのえる 2話 浜田咲良さん
今回は文句なしの面白さでした。こちらの慣れもあるのかもしれませんが、絵も第1話よりこなれた感じです。なんといっても依頼主の桃園さん(「神に誓って偽りです」とかぶってますが、こちらはレギュラーキャラじゃないしいいのか)がチャーミングでした。この感じでどんどん行ってください。
司書正 26話 丸山薫さん
単行本3巻ラストからの直接の続きです(前回はキビの祖母が生きていた頃のキビについての回想で、これはこれで重要な話だったと思います)。内容については触れずにおきますが、今回も面白かったです。朝チュンならぬ朝コケェ!
虎は龍をまだ喰べない。 41話 一七八ハチさん
碧童を狙う火龍軍団と白麗たちのバトルでしたが碧童はあっけなく捕まり火龍の巣へ。最後のコマがなかなかの衝撃でした。それはそうと途中、白麗の「私には何が足りない」というセリフに何人もの読者が「オツム」と思ったんじゃないかと。
香港ネクロポリス 4話 越谷美咲さん
アクション多めで越谷さんの黒い絵も楽しめて、良かったです。個人的に最後のシーンはゆうきまさみさん「鉄腕バーディーEvolution」の地下駐車場バトルを思い出しました。
11番目のねこはねね 10話 はりかもさん
単行本1巻が好評なようです。各猫の紹介エピソードが続いてたと思うんですが(実はちゃんと読んでなかった)、ねねの秘密をめぐる猫どうしの絡みが始まって面白くなってきました。
船長、問題ありません! 4話 佐藤宮さん
タイムスリップ入れ替わりもの。しばらく17世紀船長(元社長)サイドの航海うんちく話が続いて、正直延々これが続くのはなぁ…と思ってました。今回は現代の社長(元船長)の話でホッとしてます。絵も安定してるんじゃないでしょうか。
先生、今月どうですか 49話 高江洲弥さん
最終話です。この作品に関しては私もいろんな感情(必ずしもポジティブなものばかりではなく)を抱きましたが、今はただ「ありがとうございました」ですね。以前の2連載がいずれも短命に終わり、崖っぷちといっていい状態からのスタートだったと思いますが、7巻まで続きました。次はどうなるんですかね…個人的にはまたダークなやつが読みたいんですが。