2023/10/28

青騎士16B号


 それぞれ10月に単行本が出た影響か、「デビルズキャンディ」が休載・「音盤紀行」は4コマバージョンでした。16Aも良かったですがこの16B、2年半読んできて一番読後感が良かったです。

エレナの炬火 9話 小板玲音さん


 最初はほとんど読んでなかったこの話なんですがだんだん力をつけて来られて、今回飛躍的に良くなった感じがします。癒し枠の双子スオラとソケリの回。絵も上手くなりましたが細やかな心の動きが見事ですね…2巻のタイミングで単行本も買おうかなと考え始めてます。

ホテル・ローレルの渡り鳥たち 10話 赤河左岸さん


 ずっと「1話目は最高だったんだがなあ…」とモヤりぎみの感想でしたが、今回とても良かったですねえ…ただ話の流れ的には2巻で完結しそうな感じですね。

宝石商のヒストリティカ 14話 佐々木つかささん


 青騎士の新人作家さんの中でも最も劇的に成長された佐々木さん、もっと読んでいたかったですが堂々の最終回。お疲れさまでした!次回作待ってます!

北北西に曇と往け 14話 入江亜季さん


 舞台がいきなり日本に飛んだ時は「おいおいどういうつもりだ?」という感じでしたが、いいんですよね最近。心地良い緊張感で全然ダレない。幻の三知嵩のシーンはゾワッと来ました。いや本当にうまい。

青騎士16A号


 12A号の感想でハルタと比べてまだまだ、みたいな事を書きましたが、この16号、そうでもなくなってきたじゃないですか。向こうのほうで魅力的な連載が次々と終わったというのもありますが、青騎士の側も若い作家さんがぐんぐん成長されてますね。この調子で行ってほしいものです。

転がる星屑ども 5話 有海とよこさん


 ようやく話が「転がり」出した感じがします。引きずられてばかりだった星が自分から歌声を取り戻そうともがき出しました。有海さんのダイナミックなコマの割り方、好きですね。

鎮護庁祓竜局誓約課 8話 鵜山はじめさん


 こちらもだんだん作品自体に転がるモメンタムみたいなのがついてきた感じで、面白かったです。竜害が起きないとされてきた鳳舞島に漂着した亀型竜。

メガロザリア 12話 みやまるんさん


 やっぱりこうなったか…という感じで純真可憐なエミリちゃんご臨終です。今回ロザリアの狂いっぷり(そして百面相)がいつにも増して面白かったです。そしてついにパメラ動くか?

ピッコリーナ 13話 大槻一翔さん


 一時期モタついてた感じでしたが前回に続き今回も調子を取り戻して輝いてます。大槻さん、描き込むコマと力を抜いたコマでリズムを作るのが上手くなった気がします。鳥朗のピンチを救うバニー5人娘。それはそうと妹ちゃん大丈夫かな?

夜な夜な夜な 14話 柴田康平さん


 次回でおしまいということになりました。一時期どうなることかとも思いましたが、いい状態で終われそうなのは良かったです。というか始まった時は柴田さんがシリアスでここまでがんばってくれるとは思いませんでしたからね。

窓辺のリノア 2話 萩埜まことさん


 先を読みたくなる話運び、いいです。ただ絵の面では満足とは言えませんかね今回。

2023/10/23

ハルタ108号


 848ページ。1000ページ越えに慣れてしまうと薄く感じてしまいますが、過去のハルタはどうだったでしょうか。作家陣が整っていない初期を除くと、4年半前の63号が640ページでした。この時期は元号替わり等複数の要因で紙が不足していましたが、ほどなく解消しハルタも以前にも増して鈍器化が進みました。


 これから薄ハルタの時代が続きます。円が弱くなったという構造的な問題なのでトンネルの終わりは見えません。次号こそ1088ページですが、それで最後くらいに思ってた方が良さそうです。

八百万黒猫速報 11話 浅井海奈さん


 この作品を話題にするたび言ってる気がしますけど、ほんとに浅井さんにしか描けない作品なんですよ。今回さらにグレードアップして非常にいいです。ただ展開的にも連載がどんどん減ってるハルタの現状からしても、楽しめる時間はそれほど残ってなさそうです。

対岸のメル 11話 福島聡さん


 惜しい…としか言いようがありませんが、最終回です…内容に関しては言わずにおきますが、これで最後なのが…ただただ惜しい…。2巻は11月発売です。

生き残った6人によると 33話 山本和音さん


 前々回・前回と展開に驚かされっぱなしですが、今回も予想もしなかった人物が出てきましたね…というかお前生きとったんかい!という。新プリンセス誕生で、どうなるこの物語?

司書正 16話 丸山薫さん


 なんか既存キャラに似た人が出てきたなと思ったら、そういうことでしたか…正妃さん、嬌鳳というんですか。嫌いにはなれないキャラだなー。「虎は龍をまだ喰べない。」もそうでしたがインモラルですね。

開花アパートメント 8話 飴石さん


 連続エピソードの1話目。安定の飴石クオリティーですが単行本は年内には出ないのかな?(追記:待望の第1巻が12月に出ます!)

煙と蜜 42話 長蔵ヒロコさん


 前回感想を書いた5月が年越しだったんですが、今回ようやく熱田神宮への初詣が終わり…ということで、さすがに展開ゆっくりすぎんか?とは思いますね…伏線として重要なのはわかりますが。そろそろ5巻めが出ても良さそうです(追記:12月に出ますね)。

花園に幹が立つ 11話 野澤佑季恵さん


 サブタイトルが「姦しき夜」というので悪い予感がしましたが、大過なく終わったパジャマパーティー(潜入者1名)。現状だと源さん諏訪さんのレースですね…続けばもっと色々ありそうですが、続くかな…続いてほしいけどな…。

飾り窓に乙女 読切 東金桜さん


 3作目だったと思いますが着実に成長されてますね。アンドロイドに置き換わった娼婦の一人と管理者として残った人間の娼婦のおはなし。

孝悌なるものは 読切 越谷美咲さん


 以前「冥府が来た!」を連載されていた越谷さん。私の好みではないのですが、絵が言われないとわからないぐらい変わっていて、魂が入ってる感じなのは伝わりました。

2023/10/10

月刊アフタヌーン23年11月号


 上の画像をご覧になった皆様「歪んでんぞ…」と思われるでしょう。撮影しようとしたら寝落ちしてしまい、起きたらこうなってました。

スキップとローファー 55話 高松美咲さん


 この作品中私が最も好きな、江頭ミカ回です!ミカ!!彼女だけでなくナオや向井の回でもありますが。この、今のミカとかつてのナオをオーバーラップさせる、高松さんの手腕たるや…。フラグは誰の目にもわかる形で立っちゃってますけど、そこに至るまでにどう料理するかですよねー。たぶん20巻ぐらいまでは行くと思うので、先が楽しみです。

天狗の台所 21話 田中相さん


 9月に単行本3巻が出てドラマも始まったということで表紙&巻頭です。今回の食材がゴーヤなんですが、個人的なゴーヤへの「決して嫌いじゃないけど積極的に好きというほどでも…」という思いとこの作品へのスタンスって似てたなあと読んでいて思いました。読んでる方が慣れたからかもしれないですが、今までで一番スムーズに入り込めました。

ワンダンス 53話 珈琲さん


 「天狗…」もそうなんですが初めての感想です。こちらも9月に11巻出ました。海外でもあちこちで単行本出てますね。途中から入った・題材が門外漢・絵の個性を受け止めきれない…といった理由で敬遠してましたが、今回ダンスから離れたシーンが多いのもあり楽しめました。

最果てのセレナード 8話 ひの宙子さん


 大きな動きはないんですが、胃が痛くなるというか神経衰弱というか、そういう展開です。東京で上司の上遠野(かどの)と対峙する律。

来世は他人がいい 36話(前編) 小西明日翔さん


 10月に8巻出ます。過去編を経て少し絵が変わりましたかね…由乃の唇とか。小西さんの絵、読んでるとほどよい重量感を感じてよいです。

2023/10/03

犬とサンドバッグ 上下巻 尾崎かおりさん


 この感想を書く前に尾崎さんのひとつ前の連載「金のひつじ」を改めて読み直してました。というのは昨年出た上巻の時点では、これだったら「金の…」の方がはっきり面白いな…というのが正直なところだった(通して読んで上巻の欠点はテンポの遅さだと気がつきました)のですが、下巻になると全然こっちも面白いじゃないか…と検証の必要を感じたからです。


 読み比べた結果それぞれの良さがあるなあと面白味のない結論になりましたが、思わぬ副産物がありました。両作品に共通する「人生は(そして世界は)移ろって元のままではいられないけど、それを受け止めて生きていこう…自分も老いて消えていくけど、若い誰かに橋渡しをしていこう…」というメッセージを見つけた、ということです。


 「犬とサンドバッグ」は太平洋の離島(といってもそれほど本土から離れてませんが)を舞台ににした34歳の「日子」と23歳の「チマキ」の恋物語。崩壊家庭で育った日子は(父と飼い犬を捨て)東京で孤独に暮らしていましたが年上の「侑」との不倫に行き詰まり、なかば死に場所を選ぶように島に戻ります。一方のチマキは人の言葉を真に受けてしまう性質から双子の弟を死なせてしまい、海外を放浪のすえ島に戻りくすぶっています。


 両者のほかに、チマキに惹かれる女子高生モモ・弟を殺したチマキに屈折した思いを抱く母・両親の不仲に心を痛めるチマキの姪「ひまり」・そして日子とヨリを戻そうと島にやってきた侑といった多彩な人々により物語は紡がれていきます。

 クライマックスに向けてひまりが展望台に登るいきさつなんかは、読んでてもう少し早い段階で伏線を張っててくれたら…と思わないでもなかったですが、機械時計のムーブメントみたいに一分のスキもなくカッチリ構築されるとこの読み味にはならないんですよねやっぱり…。


 繰返しになりますが、最初の方に書いた「橋渡し」というメッセージ…ビキニを着るハメになる日子や侑の飛び出たお腹といったトホホな感じも含め、尾崎さんの「年の功」を感じましたし、若い方が読んでももちろん面白いと思うのですが私のような年寄りには沁みますね(実生活で全然橋渡しできてない…)。