2023/12/30

月刊アフタヌーン24年2月号


 「7人の眠り姫」、1巻は7人全員絵でしたが2巻以降は長女フローラから順々にピンで…8巻まで出す気満々じゃないですか。先日行った大きめの店では売り切れてたようだし、これもアニメになるのかな。

メダリスト 40話 つるまいかださん


 今回久しぶりに絵が充実してましたねー!夜鷹純の演技シーン、カッコいいのなんの。前回のヒキでは「司が自分のスケートに意識が向く展開かな?」とか思ったんですが、違いました。

最果てのセレナード 11話 ひの宙子さん


 この話を読んでて引っかかってたのが「小夜ママがアレされた公園から発見される土中に一晩でどうやって埋めたのか」だったんですが…じわじわとその辺に焦点が当たってきました。いやこれはゾクゾクするな…。そして最後のページ、そうだったの?

スキップとローファー 57話 高松美咲さん


 新学期始まりました。聡介の話かな…と思いきや次回は前の生徒会正・副会長コンビの話のようで。
追記:この度の地震で甚大な被害に遭われた珠洲市蛸島の皆様のご無事を祈ります。

来世は他人がいい 37話(後編) 小西明日翔さん


 感想書くたびに言ってますが、絵がいいです。ザッハトルテみたいな濃厚な味わい。

月刊アフタヌーン24年1月号


 この号が出て1月以上経ってしまいました。次の2月号を読んでしまって、感想も最初読んだ時と若干変わってしまってますね。2作品のみササっと。

最果てのセレナード 10話 ひの宙子さん



 先日出た2巻の最後にこの話は収録されてますので、いまさら感もあるんですが。これを読んだ時は「うわぁーっ!」だったんですが、最新の11話を読むと「おっ…」なんですよ、何言ってるかわかりませんが。ひのさんが結末を考えず始められたということでストーリーを収拾できるんだろうか、とか思ってましたが、我々読者はまんまと掌中で転がされているようです。

天狗の台所 23話 田中相さん


 この作品にも馴染んできて、最初読んでなかったのをちょっと後悔しはじめてます。夏の山中の感じがよく出てるし、みんなかわいい。

2023/12/24

贋 -まがいもの- 1巻 黒川裕美さん


 黒川裕美さんの作品(寡作ですが)について考えると、多くの作品で主人公が抱く望みは決して叶えられないか、叶えるのが破滅につながることに気付きます。主人公たちもそれがわかっていて情熱を燃やす、そこに感動が生まれます。


 「夕凪に舞え、僕のリボン」に続く2作目の長編である本作。日本画の模写に関しては飛び抜けた才能を持ちながら、時流に合わない幽霊画にこだわり全く売れない画家、内海馨。居候先の娘ふたりを守ろうと「一度きり」と贋作づくりに手を染めたものの…という、シンプルなストーリーです。犯罪ものであり疑似家族ものであり、「漫画家漫画」とは違いますが一人の絵描きとして「創作とは何か」と向き合う話でもあると思います。


 ストーリー面ではあーだこーだ言わずに見守っていくつもりですが、黒川さんの絵については書いておきたくて。ネットで「〇〇からしか摂取できない栄養がある」という言い回しがありますが、単行本で黒川さんのアナログ作画を堪能した感想がまさにそれでした。もちろんデジタル作画も楽しめますが、どこかツルッとしてこちらのツボに届ききれない感じもあったなーと…本作での黒川さんの紙にペン先がこすれることでしか生まれないタッチの妙を味わうと、やはり差はあるなと再認識しました。


 あと、黒川さんにはなんの責任もないのですが、その素晴らしい作画がweb上の連載時点ではスポイルされてしまっているというのは言っておきたいです。大人の事情があるのでしょうが、縮小された印刷でしか目にすることができない読者より、生原稿を見ている編集さんの方がずっとわかってると思います…改善を願います。


2023/12/04

ハルタ109号


 久しぶりに短期集中ではない新連載が始まりましたが「夜の名前を呼んで」「ジラソウル」が今号、「スパイゲームA. D. 1600」が恐らく次号終了と、着々と連載が減ってってますよ、ええ。

神に誓って偽りです 1話 松本水星さん


 21年2月に「今年中に始まるよ」と告知されてから、長かった…一時はあきらめてましたが、ようやくです。詐欺師もの。借金返済に加えて恋愛面でも騙し合い・化かし合いが期待できそうです。加えて中華料理の小ネタも挟んできそうですね。この第1話、相当時間をかけて描かれたんだと思います。前の連載「燕のはさみ」の頃と比べて線の感じとか結構変わってまして、成長されたなあと思いました。ただ読んでいて画面の中の空気が静止しているような感じというか、あまり「流れ」が感じられない気がしました。回を重ねれば大丈夫と思いますが。とにかく期待しております!

虎は龍をまだ喰べない。 27話 一七八ハチさん


 えー、バカップルがひたすらイチャイチャしてました…それはそれで楽しめましたが。ですがインパクトがあったのは最後のページでして。前々回ああいうシーンがありまして(3巻の最後ですね)、大荒れだろうと思って読んだ前回。その件はずいぶんアッサリ流されて、変だぞ?もしや?と思ってましたがやっぱりでした。

花園に幹が立つ 12話 野澤佑季恵さん


 三枝さん(と各務さん)の番外編的回でしたけど、読切を読むような感じで楽しめました。絵も良かったですし(後半の背景を含めて)話の流れもスムーズでした。というか遠野くん視点の展開だと、どこかギクシャクしちゃうのかな…。

生き残った6人によると 34話 山本和音さん


 ちょっと前から大ホテルに舞台を移して新展開してますが今回も面白かったですね…ただ従来キャラのほとんどが出番極少…。しかし、梨々の中でいちばん大きな存在は彼だったのか。

夜の名前を呼んで 33話 三星たまさん


 最終話です。この連載は単行本も買って期待してきました。もうひと伸びして欲しかったなあ…というのが個人的な感想ですが、楽しかったです。三星さんありがとうございました。

いやはや熱海くん 17話 田沼朝さん


 もう全然危なげなくて、余裕すら感じられるようになってきました田沼さん。熱海くんに遭遇した女子たちの反応がいちいち面白い。

2023/11/28

守娘 上・下巻 小峱峱(シャオナオナオ)さん


 小峱峱さん。台湾のおそらく女性の作家さんです。「峱」は大陸側の山東省にある山の名前で、そちらがルーツの方なのかもしれません。X(twitter )のアカウントを拝見すると明るい色づかいの作品が多く、本作の画面の暗さは題材に合わせた意図的なものだと分かります。


 この物語は清末の光緒年間にできた「陳守娘」という鬼女伝説を基にして、ヒロイン「潔娘(ゲリョン)」をはじめとするオリジナルの登場人物たちを加えて組み立てられています。当時台湾の最大都市だった台南でそれなりの家格の家に生まれた潔娘ですが、当時の風習「纒足」は施されず結婚に興味を示さない娘です。ある日若い女の水死体発見現場に出くわし、そこで儀式を行っていた「守娘(シュウリョン)」に出会い、そこから怪異と事件に巻き込まれていく、ホラーかつミステリ作品です。


 この作品の最大の魅力は絵ですね。デッサンと平面構成をしっかり学ばれたとはっきりわかる実力。そして見開き単位で(製作中のその時々で発想されたと思いますが)微妙に異なるタッチや処理を試みられています。この「見開き単位」というのが特徴的で…かなり変則的なコマ運びなんですが、コマを出来事の連なりとして並べるというより、見開きを一枚の大きな絵として捉えて個々のコマはその中で配置されるエレメントとして(視覚的な美しさを重視して)配置されている感じです。見づらさを感じる方もいらっしゃるでしょうが、私は気に入りました。ところどころ中国の書画の伝統を感じさせてもくれます。


 ストーリー展開的には時系列が一直線でなく過去に飛んだりすることもあって、やや分かりづらかった(前述の「陳守娘」のパートとか初読時は???でした)ですが、必ずしも欠点ではありません。ただシーンの切り替えはもう少しはっきりした方がいいと思います。


 この作品を貫いているのは女性たちを虐げる社会構造への静かな怒りなのですが、個々のディテールには目を背けたくなるものもありましたね…。日本と関わる前の台湾には無知だったのですが、18世紀に大陸側で人口が急増して、台湾への移民も増えたのですが出身地の違う集団同士の争いもあったりして、社会が安定するのに時間がかかったという事情もあるようです。物語の結末で潔娘は望ましい居場所を手に入れるものの、光緒21年に台湾は日本に編入され、反対派が建てた「独立国」は日本軍に鎮圧される未来が待っています(纒足に関しては大陸より一足早く廃れていったようですが)。


 とにかく買って良かったと思える作品で、この方の次回作もぜひ日本版が出てほしいものです(編集さんの日本人読者に向けた注釈も丁寧でした)。

2023/11/04

月刊アフタヌーン23年12月号


 表紙を眺めててふと思ったんですが、小西明日翔さんて笑顔のバリエーションがあまり多くないような気がしますね…こういう貼りついたようなのとか目が笑ってないやつとかが多くて。今やってるのがそういう作品だからなのかもしれませんけどね(気を悪くした方がいたらごめんなさい)。

最果てのセレナード 9話 ひの宙子さん



 手を繋いで駆け出す見開きから、同じく手は繋いでますが最後のページへ。これから何が起こるのか、おじさんこわいよこわいよ。

スキップとローファー 56話 高松美咲さん


 自分の気持ちに気付いた聡介、美津未と向き合う前に子役時代のあれこれと訣別する意思を固めたようですが、ひと悶着ありそうだしすぐに2学期が始まって八坂さんとか何するかわかんないし、すんなり行きそうにないですね。能登に行く前、聡介毋だけナオに挨拶がなかった描写がありましたが、理由がわかりました。

メダリスト 38話 つるまいかださん


 ジュニア合宿の続き。今回ついに岡崎いるかと、いのりの姉実叶の因縁が明らかになりましたが全体としては今後に向けて布石を打ってる感じかな。ジュニアの子達の名前も判明しました。亜子とか夕凪の動きも気になります。

7人の眠り姫  22・23話 Fiok Leeさん


 春に始まった連載なのにすでに2巻まで出て、週刊連載のペース感ですね。ただ1号に4話掲載なんてのを続けてたら当然絵は崩れて、もったいないなあと思ってました。ですが今号は立て直してきましたね、新登場の魔女がポンコツで好きだなあ。

来世は他人がいい 37話(前編) 小西明日翔さん


 密室での二人の会話が終始続いて、かすかなエアコンの音さえ聞こえてきそうな感じでした。8巻の帯に累計280万部とあって、220万の「スキップとローファー」より売れてましたか。

2023/10/28

青騎士16B号


 それぞれ10月に単行本が出た影響か、「デビルズキャンディ」が休載・「音盤紀行」は4コマバージョンでした。16Aも良かったですがこの16B、2年半読んできて一番読後感が良かったです。

エレナの炬火 9話 小板玲音さん


 最初はほとんど読んでなかったこの話なんですがだんだん力をつけて来られて、今回飛躍的に良くなった感じがします。癒し枠の双子スオラとソケリの回。絵も上手くなりましたが細やかな心の動きが見事ですね…2巻のタイミングで単行本も買おうかなと考え始めてます。

ホテル・ローレルの渡り鳥たち 10話 赤河左岸さん


 ずっと「1話目は最高だったんだがなあ…」とモヤりぎみの感想でしたが、今回とても良かったですねえ…ただ話の流れ的には2巻で完結しそうな感じですね。

宝石商のヒストリティカ 14話 佐々木つかささん


 青騎士の新人作家さんの中でも最も劇的に成長された佐々木さん、もっと読んでいたかったですが堂々の最終回。お疲れさまでした!次回作待ってます!

北北西に曇と往け 14話 入江亜季さん


 舞台がいきなり日本に飛んだ時は「おいおいどういうつもりだ?」という感じでしたが、いいんですよね最近。心地良い緊張感で全然ダレない。幻の三知嵩のシーンはゾワッと来ました。いや本当にうまい。

青騎士16A号


 12A号の感想でハルタと比べてまだまだ、みたいな事を書きましたが、この16号、そうでもなくなってきたじゃないですか。向こうのほうで魅力的な連載が次々と終わったというのもありますが、青騎士の側も若い作家さんがぐんぐん成長されてますね。この調子で行ってほしいものです。

転がる星屑ども 5話 有海とよこさん


 ようやく話が「転がり」出した感じがします。引きずられてばかりだった星が自分から歌声を取り戻そうともがき出しました。有海さんのダイナミックなコマの割り方、好きですね。

鎮護庁祓竜局誓約課 8話 鵜山はじめさん


 こちらもだんだん作品自体に転がるモメンタムみたいなのがついてきた感じで、面白かったです。竜害が起きないとされてきた鳳舞島に漂着した亀型竜。

メガロザリア 12話 みやまるんさん


 やっぱりこうなったか…という感じで純真可憐なエミリちゃんご臨終です。今回ロザリアの狂いっぷり(そして百面相)がいつにも増して面白かったです。そしてついにパメラ動くか?

ピッコリーナ 13話 大槻一翔さん


 一時期モタついてた感じでしたが前回に続き今回も調子を取り戻して輝いてます。大槻さん、描き込むコマと力を抜いたコマでリズムを作るのが上手くなった気がします。鳥朗のピンチを救うバニー5人娘。それはそうと妹ちゃん大丈夫かな?

夜な夜な夜な 14話 柴田康平さん


 次回でおしまいということになりました。一時期どうなることかとも思いましたが、いい状態で終われそうなのは良かったです。というか始まった時は柴田さんがシリアスでここまでがんばってくれるとは思いませんでしたからね。

窓辺のリノア 2話 萩埜まことさん


 先を読みたくなる話運び、いいです。ただ絵の面では満足とは言えませんかね今回。

2023/10/23

ハルタ108号


 848ページ。1000ページ越えに慣れてしまうと薄く感じてしまいますが、過去のハルタはどうだったでしょうか。作家陣が整っていない初期を除くと、4年半前の63号が640ページでした。この時期は元号替わり等複数の要因で紙が不足していましたが、ほどなく解消しハルタも以前にも増して鈍器化が進みました。


 これから薄ハルタの時代が続きます。円が弱くなったという構造的な問題なのでトンネルの終わりは見えません。次号こそ1088ページですが、それで最後くらいに思ってた方が良さそうです。

八百万黒猫速報 11話 浅井海奈さん


 この作品を話題にするたび言ってる気がしますけど、ほんとに浅井さんにしか描けない作品なんですよ。今回さらにグレードアップして非常にいいです。ただ展開的にも連載がどんどん減ってるハルタの現状からしても、楽しめる時間はそれほど残ってなさそうです。

対岸のメル 11話 福島聡さん


 惜しい…としか言いようがありませんが、最終回です…内容に関しては言わずにおきますが、これで最後なのが…ただただ惜しい…。2巻は11月発売です。

生き残った6人によると 33話 山本和音さん


 前々回・前回と展開に驚かされっぱなしですが、今回も予想もしなかった人物が出てきましたね…というかお前生きとったんかい!という。新プリンセス誕生で、どうなるこの物語?

司書正 16話 丸山薫さん


 なんか既存キャラに似た人が出てきたなと思ったら、そういうことでしたか…正妃さん、嬌鳳というんですか。嫌いにはなれないキャラだなー。「虎は龍をまだ喰べない。」もそうでしたがインモラルですね。

開花アパートメント 8話 飴石さん


 連続エピソードの1話目。安定の飴石クオリティーですが単行本は年内には出ないのかな?(追記:待望の第1巻が12月に出ます!)

煙と蜜 42話 長蔵ヒロコさん


 前回感想を書いた5月が年越しだったんですが、今回ようやく熱田神宮への初詣が終わり…ということで、さすがに展開ゆっくりすぎんか?とは思いますね…伏線として重要なのはわかりますが。そろそろ5巻めが出ても良さそうです(追記:12月に出ますね)。

花園に幹が立つ 11話 野澤佑季恵さん


 サブタイトルが「姦しき夜」というので悪い予感がしましたが、大過なく終わったパジャマパーティー(潜入者1名)。現状だと源さん諏訪さんのレースですね…続けばもっと色々ありそうですが、続くかな…続いてほしいけどな…。

飾り窓に乙女 読切 東金桜さん


 3作目だったと思いますが着実に成長されてますね。アンドロイドに置き換わった娼婦の一人と管理者として残った人間の娼婦のおはなし。

孝悌なるものは 読切 越谷美咲さん


 以前「冥府が来た!」を連載されていた越谷さん。私の好みではないのですが、絵が言われないとわからないぐらい変わっていて、魂が入ってる感じなのは伝わりました。