2024/01/01

ハルタ110号


 ここ何回か連載が減った減ったという話ばかりしております。ハルタを購読されていない方には今ひとつピンとこないかもしれませんのでご覧ください。連載の一部、毎号掲載作品の一覧です。


 1年前、100号に掲載されたもの。


 そして今号です。体感ではもっと減ってる感じです。

開花アパートメント 9話 飴石さん


 単行本1巻も好評なようで嬉しいです。前回からの続きですね。話を忘れてしまって読み返さないといけませんでしたが、今までのエピソードがバラバラなようでいて繋がってるんだなあ…と感心。絵の面でも空間の奥行きが感じられるようになってきた気がします。2巻は夏頃だそうですが、どうなりますかね…続いてほしくもあり、変に引き延ばしておかしくなるよりは綺麗にまとまってほしくもあり。

神に誓って偽りです 2話 松本水星さん


 1話目で気になっていた硬さみたいなのはほぐれて、これなら大丈夫そうです。徐々にキャラも増えていきそうな感じですし、楽しみにしています。

司書正 17話 丸山薫さん


 「熒(けい)」。またまた入力にてこずる国名が出てきましたが、その末裔らしきキビは再び不思議体験。新キャラも出てきました。2巻は2月発売です。

八百万黒猫速報 12話 浅井海奈さん


 残念ながら次回で終了、ああ…良くなってきてたのに…。

先生、今月どうですか 34 話 高江洲弥さん


 芹ちゃん回。こんなに表情豊かだったとは。久しぶりにスッと入っていけました。

虎は龍をまだ喰べない。 28話 一七八ハチさん


 単行本派の方に配慮してあまり詳細を語れませんが、やはり碧童が血を供給することになったようです。かわいい新キャラちゃん登場。

涙子さまの言う通り 11話 山本ルンルンさん


 過去編でした。あまりストーリー展開と関係なさそうではありますが、伏線なんでしょうか。

犬火の兄弟 6話 吉田真百合さん


 ああ、ついに決裂…。最後の犬神がリョウからイノに移るところとかは、ちょっとわかりにくかったかな。何様意見ですが、吉田さんコマ割りがもっとスムーズなら…と思います。

2023/12/30

月刊アフタヌーン24年2月号


 「7人の眠り姫」、1巻は7人全員絵でしたが2巻以降は長女フローラから順々にピンで…8巻まで出す気満々じゃないですか。先日行った大きめの店では売り切れてたようだし、これもアニメになるのかな。

メダリスト 40話 つるまいかださん


 今回久しぶりに絵が充実してましたねー!夜鷹純の演技シーン、カッコいいのなんの。前回のヒキでは「司が自分のスケートに意識が向く展開かな?」とか思ったんですが、違いました。

最果てのセレナード 11話 ひの宙子さん


 この話を読んでて引っかかってたのが「小夜ママがアレされた公園から発見される土中に一晩でどうやって埋めたのか」だったんですが…じわじわとその辺に焦点が当たってきました。いやこれはゾクゾクするな…。そして最後のページ、そうだったの?

スキップとローファー 57話 高松美咲さん


 新学期始まりました。聡介の話かな…と思いきや次回は前の生徒会正・副会長コンビの話のようで。
追記:この度の地震で甚大な被害に遭われた珠洲市蛸島の皆様のご無事を祈ります。

来世は他人がいい 37話(後編) 小西明日翔さん


 感想書くたびに言ってますが、絵がいいです。ザッハトルテみたいな濃厚な味わい。

月刊アフタヌーン24年1月号


 この号が出て1月以上経ってしまいました。次の2月号を読んでしまって、感想も最初読んだ時と若干変わってしまってますね。2作品のみササっと。

最果てのセレナード 10話 ひの宙子さん



 先日出た2巻の最後にこの話は収録されてますので、いまさら感もあるんですが。これを読んだ時は「うわぁーっ!」だったんですが、最新の11話を読むと「おっ…」なんですよ、何言ってるかわかりませんが。ひのさんが結末を考えず始められたということでストーリーを収拾できるんだろうか、とか思ってましたが、我々読者はまんまと掌中で転がされているようです。

天狗の台所 23話 田中相さん


 この作品にも馴染んできて、最初読んでなかったのをちょっと後悔しはじめてます。夏の山中の感じがよく出てるし、みんなかわいい。

2023/12/24

贋 -まがいもの- 1巻 黒川裕美さん


 黒川裕美さんの作品(寡作ですが)について考えると、多くの作品で主人公が抱く望みは決して叶えられないか、叶えるのが破滅につながることに気付きます。主人公たちもそれがわかっていて情熱を燃やす、そこに感動が生まれます。


 「夕凪に舞え、僕のリボン」に続く2作目の長編である本作。日本画の模写に関しては飛び抜けた才能を持ちながら、時流に合わない幽霊画にこだわり全く売れない画家、内海馨。居候先の娘ふたりを守ろうと「一度きり」と贋作づくりに手を染めたものの…という、シンプルなストーリーです。犯罪ものであり疑似家族ものであり、「漫画家漫画」とは違いますが一人の絵描きとして「創作とは何か」と向き合う話でもあると思います。


 ストーリー面ではあーだこーだ言わずに見守っていくつもりですが、黒川さんの絵については書いておきたくて。ネットで「〇〇からしか摂取できない栄養がある」という言い回しがありますが、単行本で黒川さんのアナログ作画を堪能した感想がまさにそれでした。もちろんデジタル作画も楽しめますが、どこかツルッとしてこちらのツボに届ききれない感じもあったなーと…本作での黒川さんの紙にペン先がこすれることでしか生まれないタッチの妙を味わうと、やはり差はあるなと再認識しました。


 あと、黒川さんにはなんの責任もないのですが、その素晴らしい作画がweb上の連載時点ではスポイルされてしまっているというのは言っておきたいです。大人の事情があるのでしょうが、縮小された印刷でしか目にすることができない読者より、生原稿を見ている編集さんの方がずっとわかってると思います…改善を願います。


2023/12/04

ハルタ109号


 久しぶりに短期集中ではない新連載が始まりましたが「夜の名前を呼んで」「ジラソウル」が今号、「スパイゲームA. D. 1600」が恐らく次号終了と、着々と連載が減ってってますよ、ええ。

神に誓って偽りです 1話 松本水星さん


 21年2月に「今年中に始まるよ」と告知されてから、長かった…一時はあきらめてましたが、ようやくです。詐欺師もの。借金返済に加えて恋愛面でも騙し合い・化かし合いが期待できそうです。加えて中華料理の小ネタも挟んできそうですね。この第1話、相当時間をかけて描かれたんだと思います。前の連載「燕のはさみ」の頃と比べて線の感じとか結構変わってまして、成長されたなあと思いました。ただ読んでいて画面の中の空気が静止しているような感じというか、あまり「流れ」が感じられない気がしました。回を重ねれば大丈夫と思いますが。とにかく期待しております!

虎は龍をまだ喰べない。 27話 一七八ハチさん


 えー、バカップルがひたすらイチャイチャしてました…それはそれで楽しめましたが。ですがインパクトがあったのは最後のページでして。前々回ああいうシーンがありまして(3巻の最後ですね)、大荒れだろうと思って読んだ前回。その件はずいぶんアッサリ流されて、変だぞ?もしや?と思ってましたがやっぱりでした。

花園に幹が立つ 12話 野澤佑季恵さん


 三枝さん(と各務さん)の番外編的回でしたけど、読切を読むような感じで楽しめました。絵も良かったですし(後半の背景を含めて)話の流れもスムーズでした。というか遠野くん視点の展開だと、どこかギクシャクしちゃうのかな…。

生き残った6人によると 34話 山本和音さん


 ちょっと前から大ホテルに舞台を移して新展開してますが今回も面白かったですね…ただ従来キャラのほとんどが出番極少…。しかし、梨々の中でいちばん大きな存在は彼だったのか。

夜の名前を呼んで 33話 三星たまさん


 最終話です。この連載は単行本も買って期待してきました。もうひと伸びして欲しかったなあ…というのが個人的な感想ですが、楽しかったです。三星さんありがとうございました。

いやはや熱海くん 17話 田沼朝さん


 もう全然危なげなくて、余裕すら感じられるようになってきました田沼さん。熱海くんに遭遇した女子たちの反応がいちいち面白い。

2023/11/28

守娘 上・下巻 小峱峱(シャオナオナオ)さん


 小峱峱さん。台湾のおそらく女性の作家さんです。「峱」は大陸側の山東省にある山の名前で、そちらがルーツの方なのかもしれません。X(twitter )のアカウントを拝見すると明るい色づかいの作品が多く、本作の画面の暗さは題材に合わせた意図的なものだと分かります。


 この物語は清末の光緒年間にできた「陳守娘」という鬼女伝説を基にして、ヒロイン「潔娘(ゲリョン)」をはじめとするオリジナルの登場人物たちを加えて組み立てられています。当時台湾の最大都市だった台南でそれなりの家格の家に生まれた潔娘ですが、当時の風習「纒足」は施されず結婚に興味を示さない娘です。ある日若い女の水死体発見現場に出くわし、そこで儀式を行っていた「守娘(シュウリョン)」に出会い、そこから怪異と事件に巻き込まれていく、ホラーかつミステリ作品です。


 この作品の最大の魅力は絵ですね。デッサンと平面構成をしっかり学ばれたとはっきりわかる実力。そして見開き単位で(製作中のその時々で発想されたと思いますが)微妙に異なるタッチや処理を試みられています。この「見開き単位」というのが特徴的で…かなり変則的なコマ運びなんですが、コマを出来事の連なりとして並べるというより、見開きを一枚の大きな絵として捉えて個々のコマはその中で配置されるエレメントとして(視覚的な美しさを重視して)配置されている感じです。見づらさを感じる方もいらっしゃるでしょうが、私は気に入りました。ところどころ中国の書画の伝統を感じさせてもくれます。


 ストーリー展開的には時系列が一直線でなく過去に飛んだりすることもあって、やや分かりづらかった(前述の「陳守娘」のパートとか初読時は???でした)ですが、必ずしも欠点ではありません。ただシーンの切り替えはもう少しはっきりした方がいいと思います。


 この作品を貫いているのは女性たちを虐げる社会構造への静かな怒りなのですが、個々のディテールには目を背けたくなるものもありましたね…。日本と関わる前の台湾には無知だったのですが、18世紀に大陸側で人口が急増して、台湾への移民も増えたのですが出身地の違う集団同士の争いもあったりして、社会が安定するのに時間がかかったという事情もあるようです。物語の結末で潔娘は望ましい居場所を手に入れるものの、光緒21年に台湾は日本に編入され、反対派が建てた「独立国」は日本軍に鎮圧される未来が待っています(纒足に関しては大陸より一足早く廃れていったようですが)。


 とにかく買って良かったと思える作品で、この方の次回作もぜひ日本版が出てほしいものです(編集さんの日本人読者に向けた注釈も丁寧でした)。

2023/11/04

月刊アフタヌーン23年12月号


 表紙を眺めててふと思ったんですが、小西明日翔さんて笑顔のバリエーションがあまり多くないような気がしますね…こういう貼りついたようなのとか目が笑ってないやつとかが多くて。今やってるのがそういう作品だからなのかもしれませんけどね(気を悪くした方がいたらごめんなさい)。

最果てのセレナード 9話 ひの宙子さん



 手を繋いで駆け出す見開きから、同じく手は繋いでますが最後のページへ。これから何が起こるのか、おじさんこわいよこわいよ。

スキップとローファー 56話 高松美咲さん


 自分の気持ちに気付いた聡介、美津未と向き合う前に子役時代のあれこれと訣別する意思を固めたようですが、ひと悶着ありそうだしすぐに2学期が始まって八坂さんとか何するかわかんないし、すんなり行きそうにないですね。能登に行く前、聡介毋だけナオに挨拶がなかった描写がありましたが、理由がわかりました。

メダリスト 38話 つるまいかださん


 ジュニア合宿の続き。今回ついに岡崎いるかと、いのりの姉実叶の因縁が明らかになりましたが全体としては今後に向けて布石を打ってる感じかな。ジュニアの子達の名前も判明しました。亜子とか夕凪の動きも気になります。

7人の眠り姫  22・23話 Fiok Leeさん


 春に始まった連載なのにすでに2巻まで出て、週刊連載のペース感ですね。ただ1号に4話掲載なんてのを続けてたら当然絵は崩れて、もったいないなあと思ってました。ですが今号は立て直してきましたね、新登場の魔女がポンコツで好きだなあ。

来世は他人がいい 37話(前編) 小西明日翔さん


 密室での二人の会話が終始続いて、かすかなエアコンの音さえ聞こえてきそうな感じでした。8巻の帯に累計280万部とあって、220万の「スキップとローファー」より売れてましたか。