2022/11/26

爪のようなもの・最後のフェリー その他の短編 全1巻 森泉岳土さん

 

 20年刊。森泉さんの初購入単行本です。ビッグコミックオリジナル増刊を購読している関係で「佐々々奈々の究明」を読んでいますが、ミステリということもあり登場人物やセリフがギュウギュウ詰めで「どうも森泉さんのイメージと違うぞ…」と思っていまして、新刊の「フロイトの燃える少年の夢」も気になりますがまずは本来の画風を楽しみたい…と買ってみました。

 結果は大成功、素晴らしい本でした!

 いちばん好きなのは巻頭の「最後のフェリー」でした…普段は筆や爪楊枝に水をつけて描いた描線に墨をたらす(仕上げはデジタル)森泉さんですが、この作品はボールペンで描かれたとのことで「ボールペンでここまで描けるんかいっ!」と早速一発くらいましたが。ヴェネツィアが舞台の恋愛譚。

 他にもホラーや、安永知澄さんらと出している「ランバーロール」掲載の純文学風味な短編たち等、良かったです。

 この本は作品によって色のついた紙を使っている「仕掛け」があるんですが、コスト面ではマイナスでしかないこんな企画を通してくれる漫画が好きな編集さんがいるんだなあ…というのも好感ポイントです。