購入から1ヶ月以上経ってしまいました。この2巻収録分の途中、14話(カラーのある話)から連載で読んでますので、通しで初読するのとはちょっと違った感じです。
基本は1話ごとに区切りのあるエピソードの連続なのですが、1巻(と単行本未収録の連載)も含めて改めて読み直してみると、各話の細かいところが思わぬ形で繋がっているのに気づかされます。2話に名前のみ出てくる猫山ポン太が登場したり、8話に出てくる3万円の手袋が再登場したりですね…いずれも2巻には未収録ですが。中でもとても印象的だったのは、12話で草刈がリンゴを落とすシーンが13話の塩澤と飯田橋の会話の中に挿入され、一種の「共鳴」を起こしているところです。
2巻を読んでいて気がついたのですが、人物や物のディテールのリアリティーだけでなく、「幻想性」というのがこの作品を成り立たせている大事な要素だと思います。13話の飯田橋の「分裂」や5話の死者との対話など。そして個人的に素晴らしかったのが、10話で日常の中に作品の着想が「降りてきた」シーン。
巻末に制作協力として(ご夫人の)冬野さほさんのお名前が掲載されていますが、読んでいると実質的にはお二人の共著と言ってもいいくらいじゃないかなという気がしてます。女性キャラの多くは冬野さんのペンのような気もしますし、10話の西岡の作品はもう冬野さんでしょうね。絵だけじゃなくて、一見何事も起こってないかのようなシーンなのに触れると崩れてしまいそうな張り詰めた何かを感じさせる瞬間というのが複数あって(リンゴのシーンもそうです)、松本さんの過去作を読んだ感じというより冬野さんに近い気がして…といっても私が読んだ事があるのは20年前にコミック・キューに掲載された読切「Cloudy Wednsday」1作だけなんですが。