2022/11/05

虎は龍をまだ喰べない。 2巻 一七八ハチさん

 1巻が即重版の本作、2巻になって登場人?物も増え、厚みを増してきました。本格ファンタジー…というか、そういうジャンル分けもしゃらくさいですね。骨太の物語として楽しんでいます。

  始まった頃は絵も上手いんだけどあまり心に響かない感じだったのですが、どんどんこなれて潤い・余裕が出ています。特に白麗(虎)の表情が豊かになってきていいですね。


 2巻になって人の姿で登場した黒鷲の姉弟もいいです。彼らの登場シーン、絵ひとつでキャラデザにとどまらない深翠(母龍)への姿勢の違いがわかります。凡庸な作家さんであれば何ページも費やさないといけないんですが、一七八さんはその辺が非常に巧みです。



 読んでいて色々と考えたくなるのが龍という種族の特性(心臓は猛毒・肉を食べると満月の時死んでしまう・血は治癒効果)、そして通常の龍とは異なる容姿の深翠は突然変異なのか、子の碧童(龍)もそういう存在なのかということです(今の碧童は髭も生えてないのでその辺よくわからない)。鷲姉弟は深翠に隷属した状態ですが、碧童の血に同じ効果があれば寝返ることも可能ですし、白麗に血を与え続けることが、二人が探している長寿の答えなのかもしれません。そして碧童になく深翠にあるタトゥーのような痣も意味があるのか気になります。


 巻末のおまけまんが「しっぽのないりゅうとら」も好評ですね。2巻のこれを読んで、一七八さんは読者に与える情報に過不足がないというか、整理が上手いなと改めて感心しました。すさまじく絵は上手いですが「画力バカ」ではありません。